高齢者の腰痛に多い脊柱管狭窄症

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高齢者の腰痛に多い脊柱管狭窄症

 

脊柱管狭窄症ってなに?

〜年齢とともに忍び寄る、腰の神経の通り道がせまくなる病気〜

脊柱管狭窄症とは?

60歳以上の4人に1人はこの病で悩んでいるというデータがあるほど、誰でもなりうる病です。

「脊柱管(せきちゅうかん)」というのは、背骨の中を通っている神経のトンネルのこと。このトンネルが、加齢や姿勢のクセなどが原因で狭くなってしまうことがあります。

その結果、神経が圧迫されてしまい、腰やお尻、足に痛みやしびれ、違和感が出てくる状態を「脊柱管狭窄症」といいます。必ずしも腰に痛みが出るわけではなく、下肢の痛みや痺れのみという事もあります。

どんな人がなりやすいの?

✅ 50代以上の方 比較的男性が多い

✅ 立ち仕事や中腰が多い方

✅ 重い物をよく持つ方

✅ 姿勢が悪く、猫背気味な方

 

特に年齢とともに背骨や関節、靭帯が硬くなってきた人に起こりやすい傾向があります。

 

主な症状

✔ 歩いていると足がだるくなる、しびれる

✔ 少し休むとまた歩けるようになる(→「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」って言います)

✔ 前かがみになると楽になる(買い物カートを押してる時や自転車をこぐ時)

✔ 足の力が入りにくくなったり、感覚がにぶくなったりすることも

✔ 重くなると排尿や排便がうまくできなくなることも(早めの対処が大事)

なぜ起きるの?

年齢を重ねると、背骨や椎間板、靭帯が少しずつ変化していきます。

・椎間板がつぶれてふくらむ

・関節がゴツゴツ大きくなる(骨の変形)

・靭帯が厚くなってくる

・すべり症や側弯症による背骨のズレにより、構造的な問題

背骨の状態と症状の関係性

脊柱管狭窄症の特徴的な症状として、間欠性跛行があります。歩いていると段々と痛くなり、休むと楽になりまた歩けるという症状です。

また自転車や買い物カートをひいた状態では、楽という特徴もあります。

これは腰の背骨の状態、腰の脊柱管がどのように弯曲しておるかが影響しています。

腰を後ろに反らした時は背骨が前に弯曲し脊柱管が狭くなります。逆に前に倒した時は、背骨が後ろに弯曲し脊柱管は拡がります。

つまり、腰を後ろに反った状態、脊柱管が狭くなった状態をなるべく避ける事が望ましいです。

腰が反らないために必要なこと

それは腰以外の関節で体を起こす、反らすことです。具体的には首、股関節、足首を私は重要視しています。

歳を重ねると、所々の関節が硬くなり、可動域が低下します。

その低下している可動域を、腰で代償してしまうのです。その代償から腰を解放することが大切です。

病院ではどうやって診断するの?

まずは症状の聞き取りと動きのチェック。

そのうえで、必要に応じてMRIやCTなどの検査を行って、神経の圧迫の状態を確認します。

治療はどうするの?

  • 保存療法(手術じゃない治療)

軽〜中程度の場合は、まずこちらを選ぶことが多いです。

・お薬(痛み止めや血流を良くするもの)

・リハビリ(姿勢改善、筋トレ、ストレッチなど)

・神経ブロック注射で炎症を抑えることもあります。

  • 手術療法

症状が強かったり、歩けないほどになってしまった場合には、圧迫されている神経のスペースを広げる手術が行われることもあります。

日常生活で気をつけたいこと

・長時間の立ちっぱなし、歩きっぱなしを避ける

・こまめに休憩をとる

・前かがみ姿勢(自転車、杖は両手にもつ事がおすすめ)を取り入れると楽なことが多い

・お風呂で体を温めて血流UP

・無理のない範囲でストレッチや筋トレを習慣に!

当院でのアプローチ例

  • ハイボルテージなど体の奥まで届く電気療法を使用し、腰や骨盤回りの筋肉の緊張緩和
  • ほぐし療法で全体の凝りをほぐし血流促進
  • 手技療法で可動域が低下している関節の動きの改善
  • セルフケアの指導

間違えられやすい病気

同じような症状として、腰椎椎間板ヘルニアと閉塞性動脈硬化症があります。

脊柱管狭窄症との違いとして……

腰椎椎間板ヘルニア……

脊柱管狭窄症とは逆で、腰を前に倒すと痛みが強くなり、腰を反らすと痛みの軽減となることが多いです。

動脈硬化症……

血管の硬化により、血管が詰まり、血流障害を招く病気です。間欠性跛行がありますが、休息による症状の緩和はあっても、前かがみによる症状の緩和がありません。

自転車では、ペダルが重く感じたり、ふくらはぎが痛くなります。

最後に…

脊柱管狭窄症は、誰でもなりうる病気です。脊柱管は歳をとると大なり小なり狭くなっていることが多いからです。だからといって症状がない方もたくさんいらっしゃいます。なので歳だからと諦めずに、「足がしびれる」「歩くとつらい」などのサインがでれば、早めに対処していくことが、悪化を防ぐポイントです。

 

そして予防も大切です。

まだ関節が動く40歳、50歳代から姿勢と関節の動きを意識した運動やストレッチを行うことで予防することができます。その際はぜひ当院にご相談くださいね。

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この記事を書いた人

西尾 拓真のアバター 西尾 拓真 らくらく堂接骨院 院長

・治療家歴14年以上、柔道整復師の国家資格者
・北名古屋市生まれ、2児のパパ
・業界の名門、米田柔整専門学校を卒業
・名古屋と一宮の接骨院で修行を積む
・2013年、先代の跡を継ぎ院長就任
・スポーツ活法トレーナー資格を取得
・SCJMベーシック、アドバンスコース受講
・業界で著名な50肩専門院にて半年間の技術指導を受ける
・重心軸を整える整体法「body core理論」を修学

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