腰椎椎間板ヘルニアは「腰だけ」の問題?

~腰にかかる負担を身体全体から考えてみましょう~

「腰椎椎間板ヘルニア」と聞くと、
「腰の椎間板に問題がある病気だから、腰を治せばいい」と思われる方も多いかもしれません。
もちろん、椎間板の状態や神経への影響を確認することは非常に重要です。
一方で、日常生活で腰にどのような負担が繰り返しかかっているのかを考えると、腰だけではなく、骨盤や股関節、膝、胸椎など身体全体の動きを見ることも大切です。
今回は、腰椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアを発症してしまう要因について、少し詳しく解説します。

そもそも「椎間板」って何?

腰椎と腰椎の間には、「椎間板」というクッションのような組織があります。
椎間板の中心には髄核というゼリー状の組織があり、その周囲を線維輪という線維性の組織が取り囲んでいます。
椎間板には、立ったり歩いたり、身体を動かしたりするときに脊柱へ加わる荷重を受け止め、衝撃を和らげる役割があります。
しかし、椎間板には日常生活の中で常にさまざまな力が加わっています。
そのため、腰をどのように動かすか、どのような姿勢で過ごしているか、身体全体がどのように動いているかということも、腰への負担を考えるうえで重要になります。

腰椎椎間板ヘルニアでは何が起こる?病態と症状

腰椎の椎間板に大きなストレスが繰り返し加わると、線維輪に負担がかかり、髄核が後方へ突出して周囲の神経を刺激し、腰痛やお尻から脚にかけての痛み・しびれが起こることがあります。
発症直後は症状が強く、立つ・歩く・座るなどの日常動作が困難になることもあります。一方で、時間の経過とともに症状が落ち着いていくケースもあります。

腰椎の前弯が少なくなると?


腰椎には本来、適度な前弯があります。
しかし、痛みや姿勢や身体の使い方などによって腰椎の前弯が少なくなり、後弯方向に固定されるようなケースがあります。
腰椎が後弯した状態で荷重が加わると、椎間板の後方にストレスが集中する要因となる可能性が高まります。椎間板に大きなストレスが繰り返し加わると、線維輪に負担がかかり、髄核が後方へ突出して神経を刺激・圧迫することがあります。

 

骨盤と股関節の動きも重要


骨盤は股関節と腰椎の間に位置しており、両者の動きをつなぐ重要な部分です。
例えば、股関節の動きが十分に出せない場合、日常動作の中で骨盤や腰椎が代わりに動くことがあります。
反対に、股関節を適切に動かすことができれば、腰椎に集中していた動きを分散できる可能性があります。
そのため腰の状態を見るときには、
「腰がどれだけ動くか」だけでなく、
「股関節がどれだけ動けるか」
という視点も重要になります。

お尻の筋肉も腰と関係しています


骨盤や股関節の動きをコントロールするうえで、殿筋などの働きも重要です。
例えば股関節の機能が低下すると、腰や骨盤周囲の筋肉が代わりに頑張ることがあります。
また、殿筋やハムストリングスなどの柔軟性が低下している場合、骨盤の動きにも影響することがあります。
そのため、
「腰が痛いから腰の筋肉だけを見る」
のではなく、
「腰に負担が集中している理由は何なのか?」
という視点で身体を見ることが大切です。

膝や胸椎・頭の位置まで関係することも


さらに身体は、それぞれの関節が独立して動いているわけではありません。
例えば膝が曲がった状態が常態化してしまうと、立位でのバランスを保つために骨盤や体幹の位置が変化することがあります。
また、猫背などで背骨(胸椎)の動きが少なくなったり、頭が前方に位置する姿勢になったりすると、身体全体のバランスを保つために腰椎にも影響が及ぶことがあります。
つまり身体は、地面から積み上げていくような感じで
足部
↓
膝
↓
股関節
↓
骨盤
↓
腰椎
↓
胸椎
↓
頸椎・頭部
というように積みあがっていき、その中で全体のバランスをとりながら成り立っています。
腰椎椎間板ヘルニアを考えるときにも、こうした身体全体の動きを確認することが重要です。

腰を守るためには「上手に動ける身体」も大切


腰椎に負担が集中している場合、腰だけを動かしやすくするのではなく、
股関節の可動性
骨盤のコントロール
殿筋の働き
体幹の安定性
胸椎の動き
膝関節の可動性
などを確認することがあります。
そして、必要に応じてストレッチや運動療法を取り入れながら、身体全体が協調して動ける状態を目指していきます。

自宅でできるセルフケア


比較的取り入れやすいものをご紹介します。
ただし、腰痛や脚のしびれなどの症状がある場合、運動によって症状が悪化することもあります。慣れないやり始めのころ、少しの回数と負荷から始めてください。
「運動すれば必ず良くなる」というものではありません。頑張りすぎは、逆効果の恐れもあります。
痛みやしびれが強くなる場合は中止し、必要に応じて医療機関などで状態を確認してください。

① アクティブSLR


仰向けに寝て、両脚を伸ばします。
両脚をそろえた状態から、脚をゆっくり持ち上げ、45度まだ挙げたら、その後ゆっくり下ろします。
この運動では、脚を挙げることで、脚の重さにより、強制的に腰を反る方向に持っていきます。

つまり腰が丸まった状態で固まりやすい方などに対して、腰の動きを取り戻すための運動として活用されることがあります。
ただし、腰を後ろに反らすことで痛みが出る方には適さないと思います。

② 骨盤前傾回旋


膝立ちの姿勢から、肩幅に脚を開きます。
その状態で、片方の脚(写真では左脚)に、骨盤を捻りながら、お尻を後方へ引くように体重を移動します。
このとき、股関節と骨盤が一緒に動くことを意識します。

「骨盤を捻りながら片方の膝に体重を乗せ、お尻を後ろへ引く」
という感じです。

腰、背中が丸くならないよう意識してください。
左右を入れ替えて行います。

 

 

③ 股関節屈曲での前屈動作


膝立ちの姿勢から、骨盤を前傾(お尻を後ろに突き出す動き)させた状態を意識しながら股関節を曲げ、骨盤を後ろに引き、身体を前方へ倒していきます。
このとき、
「腰を丸める」のではなく、「股関節を折り曲げ、身体を前に倒す」
ことを意識します。
このような動きは日常生活でたくさんあります。

物を拾う
靴を履く
洗面する
椅子に座る
などです。

そのため、股関節を使って前屈する感覚を身につけることは、身体の上手な使い方を考えるうえでも重要です。

まとめ


腰椎椎間板ヘルニアでは、椎間板や神経の状態を確認することが重要です。
しかし、症状が落ち着いた後に日常生活へ戻っていくためには、
「なぜ腰に負担が集中しているのか?」
という視点も大切になります。
腰椎だけではなく、
骨盤・股関節・膝・胸椎・体幹
など、身体全体の動きを確認することで、その人に合った運動や身体の使い方を見直す必要がある場合があります。
「腰の痛みをとる」だけではなく、
腰に負担をかけにくい身体の使い方を身につける

。
これも腰痛や腰椎椎間板ヘルニアからの回復を考えるうえで大切なポイントだと考えています。

接骨院らくらく堂では


当院では腰の痛みがある方に対して、痛みのある場所だけを見るのではなく、
姿勢・関節の動き・筋肉の働き・身体の使い方
などを確認しながら、お一人おひとりの状態に合わせた施術や運動をご提案しています。
腰痛や脚のしびれなど、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。 

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この記事を書いた人

西尾 拓真のアバター 西尾 拓真 らくらく堂接骨院 院長

・治療家歴14年以上、柔道整復師の国家資格者
・北名古屋市生まれ、2児のパパ
・業界の名門、米田柔整専門学校を卒業
・名古屋と一宮の接骨院で修行を積む
・2013年、先代の跡を継ぎ院長就任
・スポーツ活法トレーナー資格を取得
・SCJMベーシック、アドバンスコース受講
・業界で著名な50肩専門院にて半年間の技術指導を受ける
・重心軸を整える整体法「body core理論」を修学

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